登記事項に変更が生じたとき

会社登記した後、登記されている事項に変更が発生したときは、必ず登記内容を変更する手続きをしなければいけません。これを「変更登記」といいます。変更登記について解説していきます。

登記変更が必要になるとき

登記簿に記載した項目の内容が変更になった際に登記変更が必要になります。
よく変更があるのは下記になります。

  • 商号変更
  • 本店所在地変更
  • 事業目的変更
  • 役員変更
  • 資本金変更
  • 法人の解散時

商号変更

社名を変えたい時は商号変更登記をします。

本店所在地変更

会社の本店が移転したなど、住所が変更になった場合には、移転の日(移転先で営業を開始した日)から2週間以内に登記を変更する必要があります。

定款で、本店の所在地を市町村までしか決めておらず、その範囲内での移動であれば定款の変更は不要です。
一方で、定款で番地まで決めてしまっている場合は定款の変更も必要になります。

本店の所在地の変更が、法務局の管轄区域を超えて行われる場合は、旧本店所在地を管轄する法務局と新しい本店所在地を管轄する法務局の両方に、本店所在地の変更登記申請を行います。

<必要な書類>

  • 株主総会議事録
  • 株主の氏名または名称、住所および議決権数等を証する書面(株主リスト)
  • 取締役決定書(取締役会がある会社のみ)
  • 印鑑届出書(法務局の管轄地域を越えた移転の場合のみ)

事業目的変更

原則として、法人はあらかじめ定められた目的に沿った事業しかできません。

したがって、新しいビジネスを始めたい時にすでに会社の定款の目的の中に入っているものであれば変更は要りませんが、目的にない事業を行いたい場合は目的変更登記が必要です。

まずは株主総会の特別決議を行なって、会社の事業目的を変更します。特別決議から2週間以内に、目的変更登記を行います。

役員変更

役員が就任・退任する場合

役員変更登記は、会社を継続していくにあたり必ず経験する登記です。株式会社の役員には最長10年の任期があるからです。
もちろん、同じ人が再度役員になっても構いませんが、一旦退任して再度就任する形を取るため、役員が退任したことの登記と、再度就任したことの登記が必要になるというわけです。

<役員退任・就任に必要な書類>

  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 定款および互選書(定款の定めに基づく取締役の互選によって代表取締役を定める時)
  • 取締役会議事録(取締役会のある会社)
  • 就任承諾書
  • 印鑑証明書(取締役会費設置会社の場合)
  • 本人確認証明書(取締役会設置会社の場合)
  • 印鑑届出書(代表取締役が変更された場合)

役員が死亡した場合

任期の途中でお亡くなりになってしまった場合も、亡くなってから2週間以内に登記変更が必要です。
取締役が亡くなったことにより、定款で定めている取締役の員数を割ってしまう場合は、新たな取締役を選任するか、取締役の員数を減らす定款変更を行う必要があります。

<死亡登記に必要な書類>

  • 変更登記申請書
  • 死亡したことの証明書類(死亡した旨が記載されている戸籍謄本や除籍謄本、住民票、医師が作成した死亡診断書や死体検案書のいずれかを提出します)
  • 委任状(代理人によって登記申請する場合)

役員の氏名・住所が変更になった場合

役員の氏名が変更された場合や、代表取締役の自宅住所に変更が生じた場合についても変更登記をします。

<必要な書類>

  • 登記申請書(代表取締役住所変更・役員氏名変更の場合、不要)

ちなみに、行政区画の変更などによって住所が変わる場合は、以下の書類を添付して登記すると登録免許税がかかりません。

  • 市町村長の証明書
  • 住居表示の実施等にかかる住居番号決定通知書

資本金変更

増資(募集株式の発行)や資本金を減らすときに登記変更が必要です。

法人の解散時

法人の設立時にも登記が必要であったように、法人の解散時にも登記が必要になります。漏れがないよう確実に対応するようにしましょう。

登記変更にかかる費用

登録免許税は登記申請1件につき1万円
(資本金1億円を超える会社の場合は3万円)

登記事項に変更が生じたときの対応

変更登記は、会社の名称が変わったときや本店所在地を移転したときはもちろん、代表取締役の住所が変わったとき、事業目的が変わったとき、新規事業を始めたとき、任期満了などにより取締役や監査役を変更したときなどが対象です(たとえ1ヵ所であっても、変わったときは変更登記が必要となります)。なお、変更登記を行う場合も、管轄法務局へ登記内容変更の申請書を持っていく方法のほか、郵送やオンラインで届け出を行うことができます。

変更登記の期限は、変更から2週間以内と定められています(期限を過ぎても変更登記は受理されます)。ただし、期限内に変更登記をしなかった場合は、会社の代表者に対し100万円以下の罰金(過料)が科せられる可能性があるためご注意ください。

また、最後に会社登記をしてから12年間(株式会社の場合。一般社団法人や一般財団法人は5年間)変更登記がなされていない場合は、会社(法人)が事業を廃止していない届け出をするよう官報に公告が出された後、解散したとみなされることになります。これは、現行の会社法では役員、監査役ともに任期は(選任後)10年とされているため、12年以内には何らかの変更登記がなされると想定されているからです。そのため、長期間にわたり変更登記がない場合、会社は解散して法人としては消滅することになります。