商標出願の範囲(区分)を決める

商用出願は1類~45類まで分類(区分)が分けられ、1つの区分ごとに出願料が必要になるので、適切な分類だけに商標出願する必要があります。ここでは、その出願範囲の決め方について解説していきます。

出願範囲について

全45区分に商標を出願すると、出願・登録料で160万円超、更新料でも170万円超必要になります。通常2~3区分程度の出願で、大手企業でも多くて10区分程度しか出願しないようです。

区分数による出願料について

  • 商標出願料 3,400円+(8,600円×区分数)
  • 商標登録料 28,200円×区分数・・・10年分(分納16,400円・・・5年分)
  • 更新登録申請料 38,800円×区分数・・・10年分(分納22,600円・・・5年分)
区分数出願・登録料合計(10年分)登録更新料合計(10年分)
140,200円38,800円
277,000円77,600円
3113,800円116,400円
4150,600円155,200円

出願に電子出願と書面での手続きの2種類ありますが、書面で行う場合に電子化手数料として件数と書面枚数によって、1200円/件+700円/枚の合計1900円の手数料が必要です。この経費は省ける部分ですので、電子出願で手続きを行いましょう。

区分について

第1類~第34類の34種類が商品で、第35類~第45類の11種類がサービスです。

<商品の区分表>

第1類化学品など第18類革製品、旅行品
第2類塗料・着色料など第19類金属以外の建築材料
第3類洗浄剤、化粧品第20類家具、プラスチック製品
第4類オイル・燃料第21類台所用品、ガラス・陶磁器
第5類薬剤第22類繊維、ひも、網
第6類卑金属、卑金属製品第23類
第7類工作機械、原動機第24類織物・カバー
第8類手動工具第25類服、履物
第9類電気制御用の機械器具第26類裁縫用品
第10類医療器具第27類床敷物、壁掛け
第11類環境装置(照明・加熱・給水)第28類おもちゃ、遊戯・運動用具
第12類乗物第29類動物性・農産物性食品
第13類火器第30類コーヒー、調味料、菓子
第14類貴金属、宝飾品、時計第31類穀物、魚、果実、種
第15類楽器第32類飲料、ビール
第16類紙、事務用品第33類酒類
第17類プラスチック材料第34類たばこ、喫煙用具

<サービスの区分表>

第35類広告、事業、卸売第41類教育、娯楽、スポーツ、文化
第36類金融、保険、不動産第42類調査、分析、設計、開発
第37類建設、工事、修理第43類飲食、宿泊
第38類電気通信第44類医療、美容、農林
第39類輸送、保管、旅行の手配第45類冠婚葬祭、警備、法律事務
第40類物品の加工、処理

どの区分で出願をするかの調査

特許庁の類似商品・役務審査基準のページから、最新の類似商品・役務審査基準のページを開きます。

「各類に属する代表的な商品・役務」を開くと、それぞれの区分がどういった商品・サービスに該当しやすいのかといった表がでてきますので、商標を出願したい商品・サービスや関連しやすいモノの一般的な名称で検索してみてください。
下記は代表的なビジネスと区分、検索キーワード例です。

ビジネス内容区分候補検索キーワード
オンラインビジネス・クラウドサービス42クラウド
WEB受託開発(Webサイトやソフトウェアなど)42受託開発
アプリ開発9,42アプリ
コンテンツ事業35広告コンテンツ
SNSアプリ9,35,45ソーシャルネットワーク、コンテンツ
ECサイト名・小売店名35小売
飲食店30,43飲食店
食品会社・生産者29,30,31,32,33食材名
アパレル店、ジュエリーショップ25、35アパレル
美容室44美容
アロマセラピー44アロマ
経営コンサルタント35経営
教育、教室、セミナー41セミナー
旅行業、ツアー企画39,43旅行
宿泊業、ホテル運営39,43宿泊
金融36金融
証券36証券
保険36保険
不動産業36建物
プロモーション・デザイン関係35,42プロモーション、デザイン
医療関係5,10,44医療